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図2兵庫県防災行政紙線関連記裏(読売新聞1月28日夕刊)

海洋気象台・洲本測候所と大阪管区気象台をむすんで震度などの地震情報を伝えるL一アデス(ローカル・アデス)という専用回線にも一時支障が生じ、震度の速報が遅れたという事態も生じた。しかしここで注目しなければならないのは、L一アデスにはバックアップとしてVHFの無線回線があり、そのため震度の情報は神戸海洋気象台からは地震の約20分後、洲本測候所からは1時間40分後には届いている。けれども残念ながら、兵庫県の都道府県防災行政無線にはバックアップがなかった。つまり、ある情報システムが途絶しても、バックアップ体制が整っていれば必要最小限の情報は伝えられるということであり、災害情報システムの回線にはいざというときに備えて二重化が必要だ、ということを示すものでもある。阪神・淡路大震災をきっかけに各地で災害情報システムを見直したり新規に構築したりする動向が見られるが、その中心はコンピューターや衛星回線を使ってもっと高度化しようというものが圧倒的に多い。システムの高度化はもちろん必要なこととはいえ、しかしもっと重要なのはシステムが機能しなくなるような不測の事態に備えて、そのバックアップ体制をしっかりしておくことではないか、というのが筆者の意見である。
(4) 電話の障害と異常輻襲
次に、電話である。

 

 

 

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